MEMOS

ちょっと書き留めたかったことなど。

『ガンダム Gのレコンギスタ』感想

 Gレコ、最後までみたらあまりにも良い話だった。

 ベルリとアイーダは、シャアとセイラみたいにはならなかった。政治的な事情で、幼い頃に生き別れ、別々の環境で育てられ、成長し、対立する立場で出会う。シャアはセイラのことを気にかけてはいたけれど、セイラはシャアのことを受け入れず、彼らは決別してしまう。でも、ベルリとアイーダはそうはならず、大規模な戦争が起きることを阻止することができた。

 率直に言って、前半は、何が面白いのかなと思った。いろんな勢力が出てきてゴチャゴチャしているし、登場人物は何を考えているのかよく分からないし。

 でも、中盤以降、ぐんと面白くなった。トワサンガに到着以降、登場する勢力はさらに増えるのだけれども、実は、ひとつにまとまっているように見える勢力でも、内部分裂していて、過激派と穏健派がいるっていうだけ。それから、登場人物は、何を考えているのかよく分からないという以前に、そんなに考えていない、ということも分かってきた。

 印象的だったのは、ベルリもアイーダも自分たちが、生き別れの姉弟であることを比較的すんなり受け入れたこと。ベルリもアイーダも、産みの親と育ての親が違っても、育ての親を親として想い続けたこと。ベルリは、当初は異なる立場の人間として出会ったアイーダの育ての親を、「立派な人」だと言っていたこと。アイーダが、自分が今まで信じてきたことに対して、「そう教えられてきたのですね」と言われて、自分の考えを改めようとしたこと。アイーダが自分が「バカ姫」だと分かっていたこと。ベルリが、何度も「死ぬなよ」と念じながら、闘っていたこと。ノレドやマニィといった、本来は非戦闘員であるはずの人物が、自分に何ができるか、真剣に考えていたこと。

 彼らにとって大切なのは、大義でもなく、明日のことでもなく、今、自分になにができるか、というそのことに尽きる。だから、そんなにいろいろ考えていない。中盤以降、昨日の敵は、今日の味方、今日の味方は、明日の敵、という状態になる。それでも彼らは、疑心暗鬼にならず、決然と運命を受け入れ、柔軟に対処しようとする。ベルリはヒーローにはならない。でも、最初から、ヒーローになろうとして戦っていない。

 多くの兵士は、兵器さえなければ、ただの人。だから、ついさっきまで殺しあっていた相手とだって、相手の死を心から望んでいるわけではない。MSから降りて、話し合えば、分かり合える、仲良くできる。

 そういう人間観は、あまりにも楽観的だし、そんなことって絶対にない。でも、そういう人がバカを見る世界ではなく、そういう人が世界に平和をもたらす物語があることは、希望だなぁ。