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MEMOS

ちょっと書き留めたかったことなど。

ぜんハリ『渡り鳥コップ シーズン1 第3話』(4/26)

ZEN THE HOLLYWOOD(ぜんハリ)『渡り鳥コップ』1週間公演千穐楽は、ピンクの日。

 私がこれまで足を運んだ緑、オレンジの公演はいまひとつ天気に恵まれなかったのですが、この日は暑いくらいの日差しに恵まれました。(ちなみに、月曜から土曜の公演は夜に公演が行われ、この日曜の公演のみ、昼の時間帯に行われた。)

 入場時に、いつも座席番号票を渡されるのですが、この日は、それと一緒にペラッと紙が一枚追加で渡されました。サプライズの様子は、公式動画にもアップされていますが、「ハート全僕宣言!」のあとに、白のサイリウムを振って「ぜんハリ一周年おめでとう」ってコールしてほしい、という趣旨のものでした。

 ハート全僕宣言!がセットリストに入っているというネタバレがいきなり放り込まれ、心が躍った。。

 そんなこんなもあって、この日は全体的に会場の雰囲気が和やかだった。ちなみに、この日の私の席は、左側ブロックの前から3列目センター寄り。初日、3日目と同じ席で、楽日はその1列後ろ。巡り合わせというかなんというか。

 まずは、昨日までの記事で書き逃していた劇中歌の感想を。それから、ライブパートの感想に移りましょう。この記事を書き始めたタイミングで公式がライブパートをまるっと動画投稿してくれたので、非常に助かります。

 まずは劇中歌。

・籠の中のI love you(笠井くんソロ)
 『渡り鳥コップ』劇中で初めて披露された曲でしたが、既に完成度はかなり高く、しっかりと丁寧に歌っていた。曲調もぴったり。「へんなTシャツ」で衣裳をつまみ、浮かべる笑顔。この曲はキャラクターソングとして新生トミーが歌っている曲ですが、私は笠井くんの方がしっくりくる。フレーズの最後のラ行がいい。「頑張ってる」「抱き締めたら」「見えなくなる」「誰かが聞いたら」とかね。舌先が歯茎の裏で弾むときのタメの按配に歌心を感じる。

・横山くんのパーティータイム
 1-6日目までは、赤い箱のクラッカーだったのかな。1番を横山くんが替え歌して、2番からは通常のメンバー。最終日は三嶋限界線、赤箱、BUY or DIE。ここは歌の巧さとかなんとかかんとかではなく、とにかくやりたい放題にやっていて、そのなかでも「白目刑事」っていうキャラから外れていかないところが、完成度高い。ぜんハリで一番こういう機転が利くのは横山くん。

アールグレイの季節(皇坂くんソロ)
『エアボーイズ』公演でもあった、飴を配るのに合わせてのソロ。落ち着いていたし、サビも詰まらなくなったし、聞いていて安心感が出てきた。

・ENDLESS STRIPE(三浦くんソロ)
 3月の3日間ライブよりも、音程が安定した。3月のときは、ちょっと背景のバックコーラスとズレるところがあったので、実は気になっていた。そこが大きく改善されて、聞きやすくなった。曲の雰囲気と、ボンボン刑事のキャラクターが一致していたのもあって、お芝居の終盤の流れを上手く作っていたと思う。

 以下、千穐楽のライブパートの感想。書き終えてから読んだら、よくもまあ恥ずかしくないねって呆れる勢いでぜんハリ愛を表明している。今更か。

1. overture
2. 永遠never ever(皇坂くんセンター)
3. ハリウッドルール1・2・5
4. ハート全僕宣言!
5. ZENKAI PLAY
6. 奇跡のYES
7. エアボーイズ
8. 青春HAS COME(アンコール)
9. ZENKAI PLAY(ダブルアンコール)

 永遠never everは、この日はピンク担当の皇坂くんがセンター。皇坂くんがセンターを務めるのは初めてなので、ファンの方は念願だったのではないでしょうか。他のメンバーはすでにセンターを経験しているなか、初めてセンターのポジションに立つ皇坂くんの表情は、ソロの「アールグレイの季節」を歌うときよりも緊張で強張っていて、丁寧に歌いだしたものの、声は上擦っていた。そんな彼を、周りのメンバーがまるで皇子を守る近衛兵のような優しさと力強さで包んでいた。皇坂くんの人柄が感じられる暖かさに、胸がじんとした。グループの輪から出て舞台中央に一歩踏み出した彼は、決して大きく高く跳んだわけではなかったけれども、ふわっと跳ねた髪に、私は大きな感動を覚えた。いつものポジションに戻っていく彼の背中には、いつにない解放感があった。

 ハリウッドルール1・2・5のポジション移動のときの掛け声は観客もやることになっていた。この曲はとにかく阿部くん三浦くんが可愛いというか、歌詞の内容的に未成年がしっくりくる。井上くんは、「しゅわしゅわしたソーダを我慢しなくちゃ」のところのあひる口気味なあざとい表情と、このフレーズの最後にバツを作るところが好き。この日はここと、井上くんが正面に来るとき以外は、笠井くん固定カメラしていました。セーラー服のボタンを開いているのは笠井くんだけで、それがヒラッと翻る様子が、曲のウブな感じとミスマッチで、照れたようにソフトな笑みを浮かべようとする姿が、可愛すぎる。おまけに、この日はライブパートでは崩していたものの、お芝居のときに髪型がオールバックだったので、そのギャップも相まって、なんとも言いようのない愛らしさ。族刑事とか冷えたビールとかの人が、あの歌詞を歌うギャップが素敵でした。

 次は、前述のとおり、入場時点でセットリストに入っていることは分かっていたのですが、それでも嬉しい、ハート全僕宣言!。この曲のラスサビ前の井上くんは要注目。「愛の先を走って」の直前の、イラッとする(←褒めてる)キザな表情、一人振り返って、その表情の余韻を残して左腕を斜めに上げ、「この恋心が」で下手手前に微笑み、優しい笑みを浮かべて「キミを守るように」でトントントンと人差し指で空を叩き、ぐっと遠くまで客席を見渡す、これぞ井上節。これが映像で観られるのは喜びです。ありがとうございます。

 このあとにサプライズがあったのですが、その様子は言葉にするよりも、公式動画を見るのが一番。涙腺にきましたけれども、この時点では、ハンカチなくてもなんとかなるかな、と思っていた。

 ただ、このあとのZENKAI PLAYで涙腺大崩壊。直前のMCで笠井くんが「幸せだ」って言っていた、その昂揚のなかでのZENKAI PLAY。アニメ「少ハリ」のなかで、アイドルは「生贄」と形容されていた。劇中、ぜんハリは「囚人」の格好をさせられていた。生身の人間をアイドル=偶像にするというのは、なんという暴力的なことだろう。彼らはまさに、生贄であり、囚人だ。私は勝手に彼らを好きになり、勝手に彼らに期待し、勝手に彼らに理想像を押し付ける。そのくせ、彼らの人生にはなんの責任を負うこともない。永遠になんて、一緒にいられるわけがない。誰もが分かっているその事実を、彼らに歌わせる。これを暴力と言わずしてなんと呼べば良いんだろう。この曲を聴くと、たまに、苦悩することがある。けれども、彼らは私の暴力を全力で受け止めるばかりか、ときに、それを上回るパワーを返してくれる。ZENKAI PLAYの最後のサビの前でステージ上で踏むステップの振動が、カラオケボックスの地下にあるパーティー会場の安普請なステージから、客席に居る私の足元に伝わってくる。その確かな重さに、「この小さな部屋から無限の夢をもって世界と繋がっている」という『渡り鳥コップ』の台詞の重さを思い出す。それと連鎖して、「今が幸せ」という劇中の台詞と、笠井くんの「幸せ」というMCが頭のなかで結びつく。本当にそれが幸せなのか、私は彼らにここまでも暴力的なことをしているのに、という不安を掻き消すような、「僕らの夢はここにある」という確信に満ちた歌声を聞いたときに、涙腺決壊。

 そんな私の感傷をガラッとイントロの歌い出しで押しのける三浦くんセンター曲、奇跡のYES。最初のフォーメーションを組んだとき、一番前に立つ皇坂くんの表情には、まだ感傷が残っていた。でも、三浦くんの歌いだしでステージ上の空気が一変する。泣いてる場合じゃない、ちゃんとパフォーマンスをしなくちゃ、という集中と緊張が戻る。この曲で、神を演じる皇坂くん、そして人間を演じる三浦くんが対峙する。アニメ「少ハリ」の颯の問いに、アイドルという生贄が神を越えることができる、という解答が確かに証明された瞬間、と言ったら言いすぎだろうか。この統率力は三浦くんがセンターとして磨いてきた強さ、尊敬に値する努力です。

 間髪入れずにエアボーイズ。この地下の小さい会場で「飛びたいんだ空高く高く」という歌詞が、ZENKAI PLAYの感傷と、奇跡のYESの力強さをうけて、迫力を帯びて響いていた。「空の下で生まれた僕たち」のくだりの井上節たまらん。

 このあとのMCも、私がなにか語る余地はないので、公式動画参照。

 アンコールで青春HAS COME。この曲は、アイドルという存在云々という話ではなく、等身大の青春讃歌。

 ダブルアンコールで、ZENKAI PLAY。ダブルアンコールが出たのは3月の3日連続ライブ最終日以来2回目。あのときに比べると、メンバーも観客も、今日のは想定していたような雰囲気。客席に降りてきて、ぐるりとめぐっていく。さきほどのZENKAI PLAYのような、歌詞の切なさが響いてくるような重さはなく、軽やかに「永遠に一緒にいられたらいいな」と歌いあげていく声が、シンプルに、いまこの瞬間が永遠に続いてほしいくらい楽しい、という喜びに聞こえる。そんな喜びを彼らが感じていてくれるのならば、それは私が彼らをアイドルとして応援せずにはいられないことの贖罪に、わずかなりともなっているかな。