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MEMOS

ちょっと書き留めたかったことなど。

ぜんハリ 『最強セーラーPLAY in タワーレコード新宿店』

ZEN THE HOLLYWOOD(ぜんハリ)
5/24 12:00-
タワーレコード新宿店

 半年間続いたメジャーデビュー記念イベント「最強セーラーPLAY」の最終日。天気予報では雨が降りそうでしたが、なんとか降られず。

 開店の11時時点で、タワーレコードの入居するFlagsの脇にはかなりの列が形成されていました。2階の入口を先頭に、階段を下りてGAPの前にも人が並び、最終的にはビルの裏手まで伸びていたと思います。タワーレコード新宿店で展開できる最大のイベントスペースを作ったにもかかわらず、人がブースから出ているような状況でした。

 セットリストは以下。

01. overture
02. 青春HAS COME
03. MC
04. 永遠never ever(深澤くんセンター)
05. 奇跡のYES
06.ZENKAI PLAY

 MCのコーレス。
 井上くん「ぜんハリ!」
 阿部くん「セーラー!」。「セーラー服への感謝を込めて」で噛んだ。
 三浦くんの自己紹介のあとに、謎のざわめきが広がり、戸惑う三浦くん。あれ、なにかあったのかしらん。少なくとも、井上くんは特に変わったことをしてなかったけど……。コーレスは、「ありが?」「じゅっぴき!」「ありがじゅっぴき、ありがとうございます!」「お次は、ありが4匹までしか数えられない、しげさん!」
 「ふ~!」と湧く客席に「『ふ~!』ってのもおかしいけどな」と言いながら出てきた笠井くん。コーレスは、「ありがとう!」「Your welcome!」
 深澤くん「大好き!」
 皇坂くん「歴史ハッピーコールをしたいと思います!」。皇坂くんの問いかけに「ハッピー!」と答えるんだけれども、クッキーとかカステラとか、ネタが分からなかった。最後に「縦山三浦!」「ハッピー!」。縦山三浦、当時はつまらない、しょーもないコーナーだと思っていたんですが、いざ思い出すとぐっとくるものが。
 縦山三浦つながりで、手で顔を覆い、天井を振り仰ぐ横山くん。三浦くんが、「え、なんかするの?」みたいな顔で、横山くんを見やる。
 「縦山三浦!」と言いながら、出てきた横山くんが自己紹介。「never ever!」「forever!」

 深澤くんが「ノンストップで~」と言いかけたとき、皇坂くんが「ちょっといいですか?」と。今日の永遠never everのセンターを深澤くんが務めることになった経緯を説明。移動のときに荷物を持ってくれたり、みんながダラけてしまったときにピリッとさせてくれたり、嫌な役回りを引き受けてくれた、裏の努力を汲んで、最後の最強セーラーPLAYのセンターは深澤くんに。瞳を潤ませる深澤くん。みなさんと、メンバーと一緒に、ありがとうって言いたい。

 永遠never ever、奇跡のYES、ZENKAI PLAYと3曲続けたあとに、6枚目シングルのタイトル、発売日、その他の告知。

 笠井くんの一言、「俺とお前らのあいだに、終わりのPLAYなんてねーよ」。横山くん「ご飯も食べずに、寝もせずに、死ぬまで、死ぬまで!」

 以下、感想。

 歌い始めるまで、「今日が最後の最強セーラーPLAY」っていうテンションのイベントになるのかなと予想していたのですが、その予想は見事に裏切られた。彼らにとって、今日一番大切なことは、このイベントを30分ぴったりで終わらせることではなかった。実際、40分くらいやっていた。

 1曲目に青春HAS COMEがくるのは珍しい。

 この曲が始まったとき、私のなかで止まっていた歯車がゆっくりと動き始めた。いつから止まっていたのかというと、4/26の『渡り鳥』千秋楽、アンコールで歌った、青春HAS COME。その前日までの公演では曲目を抽選方式で決めていたにも関わらず、この日に限っては、アンコールが青春HAS COMEになることが、予め決まっていた。この曲が始まったとき、あのときの青春HAS COMEが、ふっと頭に蘇った。ここ1ヶ月のイベントで、この曲を聴く機会は何度もあったはずなのに、これは初めてのことだった。

 5月に入ってからの、9,17日の最強セーラーPLAYは、つまらないステージだとか散々な書きようだった。それは、客は要求通りにコールを返してくれさえすれば、あとはなんでもいい、とりあえず30分、機械仕掛けのように寸分の狂いもなく終えられるように、ステージが始まった瞬間から終わりのことを考えている、そういう態度がミエミエだったから。

 10日はとても良いステージだった。とても感動したけれども、どちらかというと、ここまで来たんだなぁ、という感慨が大きかった。「新たなステージに立ったというよりは、ひとつ区切りがついた、という印象が強かった」って、数週間前の自分も書いている。

 というわけで、4/26の興奮のあと、新曲が披露されても、夏のイベントの情報が出ても、どこか停滞感があった。それを破るイベントの1曲目が、青春HAS COMEだったことは、私にとっては偶然ではないような気がしている。

 イベントが終わって、今となっては、その停滞の打破が「6枚目のタイトル決定&選挙」という情報によってもたらされたことは明白なのだけれども、あのときに現場にいた私は、この日、彼らが顔を上げた瞬間に、なにかを感じた。それは直感としか言いようがない。これについて、なんだったんだろうな~と考えていたら、数日が経っていた。

 イベントの終わりで発表された6枚目のタイトル「バージン・マジック」に戸惑う客席、カップリングに「ロンリーPASSION」が入ると明かされたときの熱気に、今度はメンバーが呆れるような戸惑いのような表情を浮かべるのが面白かった。そして明かされた、選挙。

 停滞感の打破は、6枚目のタイトル発表ではなく、おそらくこの選挙の告知によってなされたのだと思う。そういう意味では、この選挙は必要なものなのかもしれない。ただ、私はそれが選挙という方法であることに、かなり動揺している。

 1月中旬に横山くんが戻ってきて、やっと本来の7人体制に戻り、いろいろ模索し、試行錯誤しながら、やっとチームワークが見えるようになってきた。4/26とか5/2とか、MCで「この7人で」という言葉を聞くことが度々あった。芝居の出来はさておき、あの1週間公演を通じて、結束力が強くなったんだな、というのが感じられた。先日、深澤くんが大きな舞台に出演することが発表されたとき、「この7人で」という言葉が、何かを暗示していたのかなという考えがちらりとよぎったけれども、それは、メンバーがそれぞれに活動領域を広げても、「この7人で」頑張るのだ、という意思の表明だと、かえって好感をもった。

 だから、こんな形でいきなり競争が持ち込まれたことに、動揺を禁じ得ない。とかく数字ばかりで評価されがちな世の中で、そうではない場所があることが、アイドル現場に足を踏み入れた私にとっては大きな発見だった。人間が社会を形成するようになってから、いろいろな試行錯誤を経て、資本主義社会に辿り着いた。アイドル現場は、その資本主義にも閉塞感を覚えつつある現代社会で、もう一度ゼロから社会を形成して、資本主義とは違う幸せに辿り着くための実験場なのではないかとさえ思った。その夢が、こんな形で砕かれることになろうとは。

 芸能界に足を踏み入れているのだから、「人気」っていう漠然としたもので評価される覚悟はあるだろう。選挙なんていう形をとらなくても、特典会の様子とか、サイリウムの割合とか、声援の大きさとかで、メンバーもファンもだいたい分かっている。それを数字にして、人事考課に反映するっていうシステムに、アイドルが歌って踊るのを見るのが楽しいっていう、私がアイドルを応援する根本的な喜びを奪われるような気がしている。

 率直に言って、いまのぜんハリの活動はアニメに付随したアイドルプロジェクトにすぎない。アニメ放映期間中の、アニメファンに対するプロモーションが不十分だったのもあって、中野でのイベントをきっかけにイベントに足を運んでいる人も増えてくれた。まだまだ外に向かってパイを大きくできるのに、内側を向いて、小さいパイを奪い合うようなことをするのは愚策のようにも思う。

 だいたい、選挙をしても、マスメディアに取り上げられて注目を集めるわけでもない。勝ったって、AKBの選抜みたいにテレビとか雑誌とかにばんばん出られるわけでもない。配信音源のギャラくらいしかメンバーに還元されるものがない。たぶん、ぜんハリの規模だと歌唱印税よりは一括買取の方がメンバーに支払われる額は大きいだろうけど、それでもぼんやりと耳にしたことがある声優のキャラソンの買取料を考えれば大した額とは思えない。

 そんなわけで、現時点では、仲間内の喧嘩を演出して遺恨を残すデメリットが、選挙をするメリットを大きく上回るというのが個人的な印象。停滞感の打破は必要だったけれども、それが選挙である必要性がよく分からん。選挙の発表をしたときの、メンバーの客席をうかがうような表情と、どう振る舞えば良いのか決めかねている様子が、心に刺さりました。客をコーレスのレスポンスするだけの存在だと思わずに、その反応を確かめようという姿勢が、イベントがスタートしたときの直感の要因なんだろうなと薄々思うけれども、それを認めたくない気持ちもあって、とても複雑。

 やっぱり、生身の人間を偶像に仕立て上げることは、暴力的なことです。でも、私は4/26にその思いを一度は破ってくれた彼らを知っているから、またもう一度、もっと逞しくなって、この疑念を打ち破ってくれると信じたい。

誰かと比べて なで下ろす胸は
ガスが抜けるよに ひゅっと閉じてく
僕は僕へと たどりつくんだ

 僕は僕へと、たどりつくんだ。

 誰かと比べるようなつまらないことに拘泥せずに、彼らの青春が、もっともっと強く輝きますように。それが、彼らの幸せなアイドル活動、幸せな未来、幸せな人生に続いていきますように。